セ・リーグは8日、都内のホテルで臨時理事会を開き、予告先発制を今季の開幕戦から導入することを決めた。慎重な姿勢を見せていた阪神も賛成に回り、全会一致でまとまった。パ・リーグとの交流戦を含む全144試合で実施するが、ポストシーズンのクライマックスシリーズ(CS)、日本シリーズでは実施しない方針も固めた。

 観客動員が減少する現状に危機感を募らせるセ・リーグが、ファンサービスの一環として予告先発の導入を決めた。前回(1日)の理事会で態度を保留した阪神も、会議の冒頭で賛成を表明。6球団が足並みをそろえ、新制度の導入に合意した。

 集客への効果を示す確かなデータはなく、先発の読み合いを楽しみにしているコアなファンもいる。そういう否定的な声を踏まえた上で導入に踏み切った。理事長を務める中日佐藤球団代表は「先発投手の調整」や「メディアへの露出」をメリットに挙げたほか、「新規ファンの開拓」の効果にも期待を寄せた。同代表は「野球に詳しくない方、距離を置かれていた方に広く情報を提供しようじゃないか、ということ」と、力を込めた。

 パが行っているCSの予告先発については、阪神などの反対もあり導入を見送った。短期決戦ならではの楽しみを、ファンに提供するのが狙い。佐藤代表は「中2日や中3日での投球なども考えられる。シーズン中と同様のルールにすることは難しい」と、説明。日本シリーズについても、同様の理由で採用しない方向で意見が一致した。

 1年限りの試験的な導入ではなく、来季以降も継続していく方向性も確認した。佐藤代表は「効果についてはシーズン中、またはシーズン後に6球団で集まって検証していこうじゃないか、という話になった。しかし、原則的には来季以降も続けていきたい」と、腰を据えて取り組む構えを見せた。

 ◆予告先発の実施方法

 基本的にパと同じ。前日の試合開始予定1時間前までに所定の用紙に記入、監督署名の上、各リーグ運営部へファクス送信する。試合前日が移動日、チーム休日にあたる場合は、午後3時までに手続きし、午後3時に発表。開幕戦は前日の午後1時までに手続きし、同日午後3時に発表される。先発予定の投手がアクシデントで登板不能となった場合などを除き、原則として発表後の変更はできない。メンバー交換時刻を過ぎてから変更となった場合、打順表の書き換えは認められない。