予告先発ってことは用済み?

 29年目の中日山本昌投手(46)が9日、セ・リーグの予告先発導入に苦笑いした。1月に高木監督から早くも開幕投手に“指名”された大ベテランは、開幕前に起こった球界の大変革にちゃめっ気たっぷりに反応した。

 「予告先発ってことは俺はもう用済みかもしれないね。高木監督にしたら3カ月間に及ぶカムフラージュだったかもしれないもんね。俺が開幕って言う必要がなくなっちゃったよね」

 周囲の大爆笑を誘ったが、これはもちろん昌流の冗談。今日10日のオリックス戦(京セラドーム大阪)では先発して3イニング程度を投げる予定。ナゴヤ球場の室内練習場で川上、岩瀬らとともに軽めの調整をしてやる気満々で目を輝かせた。

 「周りのピッチャーもいいピッチングをしてるし、これからが勝負。開幕?

 そのつもりでやってます。それには、ある程度の結果を残さないといけないね」

 今季実戦初登板となった2日広島戦では、2イニングを1安打無失点と健在ぶりをアピールした。今日も結果を残せば、また1歩、史上最年長開幕投手に近づくことになる。ジョークが飛び出すのは調子がいい証拠だ。目指すは真の開幕投手。カムフラージュで終わるつもりは毛頭ない。【桝井聡】

 ◆予告先発とダミー

 セ・リーグは8日の臨時理事会で今季からの予告先発制導入を決定。昨季まで中日の先発隠しは球界でも有名。複数投手に同じ調整をさせて相手チームを幻惑する。この場合、実際に先発しない投手がダミーと呼ばれる。特に吉見、チェンなど左右の組み合わせは対戦相手が打線を組みづらい。高木監督は予告先発制が決まり「開幕だけはしたくないな。うちはさせたい投手がたくさんいるから」とも発言していた。