<広島2-1巨人>◇4日◇マツダスタジアム

 巨人打線が目覚めない。広島先発の福井優也投手(24)ら5投手から9安打を放って得点機はつくったが、得点は5回2死満塁から福井の暴投で挙げた1点だけ。打順の巡り合わせも悪く12残塁に終わった。いまだに本塁打が1本もなく、開幕から5戦ノーアーチは2リーグ制以降の球団ワースト記録だ。9回、3番手の越智が打たれて今季初のサヨナラ負けしたが、打線が覚醒しないと苦しい戦いが続きそうだ。

 長きにわたる巨人軍の歴史で、「初」の屈辱だった。開幕から5試合連続で本塁打が出なかった。2リーグ制以降で経験のない貧打っぷり。得点は5回、広島先発福井の暴投による1点だけでは、サヨナラ負けも必然だった。

 本塁打を語る前に、バットに当たらなかった。1番坂本、2番ボウカー、3番長野が、それぞれ3三振した。3人とも外角低めの変化球にタイミングが合わなかった。原辰徳監督(53)は「…各自がしっかり反省してね。次に生かすでしょう」。堪忍袋の緒はまだ切れず、比較的サバサバ話した。冷静だったのは、見慣れた絵だったからかもしれない。

 開幕以降、相手投手に全く同じやられ方をしている。コーチと二人三脚で技術的な課題を改善しないと、過ちは今日も繰り返される。坂本はヘッドが寝た状態で、下からバットを出している。ボウカーは頭が突っ込んでいる。長野は右半身でボールを追いかけ、空振りの後、投手と正対している。原監督は「少し頭を冷やして考えようという、ね。でもまだ5試合。変えたくないね」と、打線の組み替えには否定的だった。だったらなおのこと、上位3人の修正は最優先事項となった。

 下位打線には当たりが出ている。6番高橋由が3打席出塁で、7番小笠原は猛打賞。2死満塁でゴンザレスに2度も打席が回るのは歯がゆい。

 原監督は「ゴンザレスは真っすぐも変化球も非常に良かった。寒い時期は比較的苦手だけど粘った」と、サヨナラ打を浴びた越智を含め、投手陣を責めなかった。開幕ダッシュをもくろんだ中5日のローテを組み、今日5日の先発は内海。早めの援護が不可欠だ。【宮下敬至】

 ▼巨人はサヨナラ負けで開幕5試合を1勝4敗。この日も本塁打は出ず、巨人が開幕から5試合連続本塁打0は、1リーグ時代の46年(10試合なし)以来、66年ぶり。2リーグ制後では58年の4試合を抜くワーストとなった。この日は9安打に5四球ながら、得点は暴投でもらった1点だけ。これで開幕から得点圏での成績は32打数6安打の打率1割8分8厘。得点圏では4月1日の8回に谷が三振を喫してから18人続けてノーヒット(6四球含む)と、1発も出ない巨人打線だが、チャンスであと1本も出ない。