<西武0-13日本ハム>◇16日◇西武ドーム

 日本ハムの多田野数人投手(31)は2年ぶりの先発に、はやる気持ちを抑えるようにマウンドに向かった。「立ち上がりから力まずに投げられた。早く先発がしたかった」。6回4安打無失点で、3年ぶりの勝利を手繰り寄せた。

 独特のフォームから投げ込む直球は140キロにも満たない。それでも、変化球を制球良く、効果的に使って打者に的を絞らせなかった。6回、先頭の栗山に安打を許したが、続く原は捕邪飛。中島は内角直球でバットをへし折って力ない三直に仕留めると、4番中村は変化球でタイミングを外し、左飛に打ち取った。

 メジャーを経て、08年に日本ハム入り。10年に1度は戦力外となりながら、すぐに異例の再契約を結んだ。今季は開幕を2軍で迎えたが、ケッペルの故障で回ってきたチャンスを生かしてみせた。「戦力外とかあったが、いろいろな経験をして(また)勝てたのが大きい」と31歳の右腕はしみじみと言った。首脳陣の抜てきに応える好投でチームは3連勝。両リーグ一番乗りで10勝目を挙げ、首位ソフトバンクに迫った。