<広島3-0DeNA>◇17日◇呉

 DeNA中畑清監督(58)の“鬼”の采配も勝利につながらなかった。スタメン起用した荒波、下園のふがいない打撃に、4回で交代を決断。「これではズルズルいってしまう。ちきしょう!

 と自分の中に活を入れた。使うのは僕だし、自分の責任。自分に対する喝だった。こんなに負けっぷりがよすぎてどうするんだ!」と、悔しさをにじませた。

 ここまで試行錯誤しながら打線の組み替えを行ってきたが、大前提は積極的な姿勢だった。しかし、下園の見逃し三振、荒波の2打席続けて打たされての二ゴロには、その姿を感じることができなかった。「下園は、普通は見逃し三振しない選手。荒波は初回から中途半端に打たされたスイング。2人とも思い切ってのスイングが魅力だし、勢いをつけるお前たちが止めてどうするんだ」と、語気を荒らげた。

 これで早くも6度目の完封負けで、広島戦は勝ち星なしの4連敗。「完封6度目の負け方は関係ないけど、プロ野球選手として、いいかげんにしなさいと言われても仕方ない。ファンの皆さんに申し訳ないし、1点でも返す勢いを見せていかないと」と頭を下げた。自分への喝は、この流れを断ち切るための、チーム全体への喝だ。【佐竹実】

 ▼DeNAが早くも6度目の完封負け。月間6度以上の完封負けは、大洋時代の71年6月(7度)以来、チーム41年ぶりだ。6度の完封負けのうち3度が広島戦。このカードの得点は8日3回戦の9回にリリーフの今村から挙げた2点だけ。広島先発投手4人には106打数13安打、打率1割2分3厘で、32イニング連続無得点に抑えられている。