<DeNA3-1ヤクルト>◇3日◇横浜

 DeNA中畑清監督(58)は会見場に「笑顔で来ちゃいました~」と現れた。「筒香が新しい風を吹き込んでくれた。筒香が戻ってクリーンアップの形が作れてきた。チームが変わっていくきっかけになるゲームになったかな」。連敗を6で止めた以上の喜びと手応えを、満面の笑みで表した。

 インパクト十分の復帰戦だった。筒香嘉智内野手(20)は1軍昇格即「3番三塁」でスタメン出場。3回無死一塁では、内角高めの144キロを右前打にし、チーム31イニングぶりの得点を演出。5回には外角低めの速球を逆方向に打ち返し、左翼フェンス直撃の二塁打。得点力、迫力不足の打線にあって、魅力たっぷりの2安打だった。

 「ほっとしました。ケガをして試合に出られなかったので、チームに貢献することだけを考えていました」。キャンプ中の2月17日に左くるぶしに死球を受け離脱。3月2日には松葉づえがとれるまで回復した。2週間ぶりにバットを握った時には「野球ってこんなに楽しかったんだ」と実感したという。

 しかし、早く1軍に戻りたいという気持ちを必死に抑え、まずはケガを治すことに集中した。昨年は左手首を痛めて不完全燃焼に終わり、今年はアクシデントとはいえ、キャンプ中に離脱。同じ悔しさを再び味わわないため、そして1軍で常に主力としてプレーするため、万全な状態で戻ることを優先させた。

 「試合に出ることが一番。治すことだけを必死に考えていました」。戻ってきたからには、結果を出し続けていく。巨人に移籍した村田に代わり、今年から背番号「25」を背負う男が、ようやく「開幕」を迎えた。【佐竹実】