<中日3-0阪神>◇3日◇ナゴヤドーム

 5連勝にもかかわらず、中日高木守道監督(70)が就任後初めて会見を拒否した。「今日は何もありません!」。一言残すと監督室へ直行。帰りの駐車場で待ち受けると怒気も漂わせた。「しゃべりたくない!」。取り付くしまなく車のドアが閉まった。

 関係者の話を総合すると、怒りは自軍のコーチ陣に向けられていた。3点リードの5回、先頭大島がヒットで出塁して打席には荒木。ここでエンドランのサインを出したが伝わらず、荒木は飛球を打ち上げて凡退。その後大島も二盗に失敗するなど、チグハグな攻撃で追加点を奪えなかった。すると5回終了後、指揮官がベンチでコーチ陣を厳しく問いただしたという。

 どうしてサインが伝わらないのか。伝わらないならもう出さない-。監督は怒りに任せ、6回以降、バントやエンドランなどのサインプレーを“放棄”。代打起用や投手交代は行ったが、攻撃はほぼ馬なりで試合が進んだ。7回、8回と無死の走者が出たが、当然ノーサインで強攻。そしていずれも無得点。追加点を奪えなかったが投手陣が踏ん張って逃げ切った。5連勝でもベンチ裏はドタバタだった。

 連勝中でもミス撲滅は重要事項。この場面の怒りが、引き締め?

 の会見拒否につながったのか。そして今日4日DeNA戦の采配はどうするのか。瞬間湯沸かし器の異名を持つ監督が、鬼の一面をのぞかせた。