<阪神1-4日本ハム>◇17日◇甲子園

 阪神クレイグ・ブラゼル内野手(32)がスタメン落ちの危機を迎えた。6回の一塁守備で痛恨の適時失策を犯し、2点目を献上。その裏2死満塁の絶好機であえなく三振に倒れ、8回に代打を送られた。3年連続負け越している交流戦で、巻き返しのキーマンが攻守に大スランプ。連敗スタートとなり、ベンチを温める可能性が出てきた。

 ブラゼルがスタメン落ちの危機に立たされた。交流戦はまさかの2連敗スタート。この日は、攻守で敗因を背負った形だ。6回表1死一、二塁の守りで、二塁へ悪送球。これがタイムリーエラーになった。その裏には2死満塁で、左腕乾のスライダーに力みまくって、バットは空を切った。8回に代打関本を送られ、ベンチに退いた。「自分のエラー。それだけ…」。精彩を欠いた巨漢は足取りも重くクラブハウスに戻った。

 城島との一塁争いを制し、開幕からレギュラーを張ってきたが、打撃が上がってこない。2打数無安打で、打率は2割を切った。4月17日ヤクルト戦を最後に、ノーアーチが続く。和田監督は「ブラゼルとマートンの2人がポイント」と攻撃のキーマンに挙げている。B砲の長打力はチームの浮上に必要不可欠ではあるが、得点圏で沈黙する姿は変わらない。

 本来は7番を打つ打者ではないが、下位打線でも改善の気配がないだけに、今後は首脳陣の検討課題になる。片岡打撃コーチは「状態が悪いね」と渋い表情を見せる。悪い点について問われると、「ひと言では言えない」と口を閉ざした。コーチ陣も深刻な状況と見ている。ミニキャンプで打撃の修正に取り組むのも、ひとつの選択肢だ。「三塁関本、一塁新井」というプランもある。スタメン落ちの可能性は十分にある。

 ブラゼルを象徴に、打線は波に乗れない。前夜の吉川に続き、日本ハム・ウルフを攻略できなかった。失点も守備のミスによるもので、試合の流れとしては最悪だ。

 和田監督

 打線のエンジンのかかりが遅い。4点は両方とも何とかなる。防げる所だった。野手は焦って、守っている。打撃と守備を切り離して考えて、やれることをやっていかないと。

 交流戦の成績は、ペナントレースの行方を左右する。スタートでつまずいたとはいえ、まだ2試合。次は本拠地に星野楽天を迎えて2連戦。再び打線のテコ入れを強いられる状況になった。【田口真一郎】

 ▼ブラゼルが2打数0安打に終わった。4月17日ヤクルト戦(ほっと)でロマンから4号2ランを打って以来、87打席ノーアーチ。昨年の81打席を超え、自己ワースト記録を更新している。

 ▼阪神は交流戦連敗スタート。過去7年で●●スタートは昨年に続く2度目。昨季は10勝14敗の勝率.417で8位、今年はどうか。