<阪神2-3楽天>◇19日◇甲子園

 二人三脚のフォーム改造が実った。楽天ルイス・エンリケ・テレーロ外野手(32)がうれしい来日1号だ。0-1の7回1死一塁。打率1割台の助っ人が能見のスライダーを捉えた。左中間への逆転2ラン。「球種を忘れるくらい気持ち良かった。ボールを強くたたくことを意識していた」と気分よくダイヤモンドを回った。

 「脱フランコ打法」の成果だ。95、98年にロッテに在籍したフランコのようにグリップを頭付近に置き、バットを投手方向へ寝かせていた。バットが出にくく、内角球に何度もバットを折られた。交流戦前、田淵ヘッドコーチと付きっきりで、グリップを肩付近まで下げるフォーム改造に取り組んだ。「グッド!

 グッド!

 オーケー」と、のせられながら突貫工事。徐々にだが、バットが最短距離でスムーズに出るようになった。「あれだけ時間を割いてくれて感謝しています」と恩返しの1本だった。

 長打力不足のチームにあって、昨年メキシカンリーグ38発の助っ人に待望の1発が出た意味は大きい。昨秋キャンプで獲得を即決した星野監督も「ようあそこまで運んでくれた」と高く評価した。再び3位に浮上。テレーロは「これからも100%の力を出すだけ」。最後は日本語で「マタ、アシタ」と笑った。【斎藤庸裕】