<阪神3-1オリックス>◇8日◇甲子園

 オリックス岡田彰布監督(54)が「空白の時間」に激怒した。1点リードの7回に4番手平野が金本に逆転3ランを被弾。古巣相手に逆転負けを喫して最下位に転落した。岡田監督は「オレの継投ミスやから。平野に悪いことをした」と話した上で、阪神側の「時間稼ぎ」について厳しく指摘した。

 岡田監督

 5回表に(球審が)出ろ、いうたのに(阪神が守備に)出えへんかった。連盟に言うよ。遅延行為よ。初めて見たよ。ルール上は放棄試合よ。負けたから言うてるんちゃうよ。丹波(球審)に確認したけど「(阪神側に)出ろ」と言ったと。あんな光景は初めてみた。

 問題視したのはオリックスが1点リードで迎えた5回表だった。審判4人が位置について、オリックス側も1番後藤、2番野中が次打者席で待機していた。だが阪神側がベンチから出てこない。野中は「時計も動いていて、審判が出ろ、出ろ、というのに出ない。グラウンド整備もしてない。何してんのかなと思った」と首をひねった。

 試合が成立する5回のスタートを前に、雨は激しさを増していた。その状況で空白の時間が流れれば、リードしているオリックス側にはノーゲーム狙いとも受け取れる。岡田監督は「遅延行為」という言葉を使った形だ。

 岡田監督

 5回の表よ。お客さんもみんな見てるよ。あれで流れが変わった。雨が降って、こういう試合展開やからな。あの回から腹が立っていたよ。

 試合は雨で4度、合計14分間の中断を挟んだ。指揮官は「こういう展開やから余計にな」と怒り心頭だった。【益田一弘】

 ◆公認野球規則四・一五

 一方のチームが次のことを行った場合には、フォーフィッテッドゲーム(没収試合)として相手チームに勝ちが与えられる。(b)試合を長引かせまたは短くするために明らかに策を用いた場合。