<ロッテ5-8阪神>◇16日◇QVCマリン

 ロッテの6年ぶり交流戦優勝への道は絶たれた。執念は最後まで示した。9回2死から3連打と押し出し死球で、サブローに1発出ればサヨナラという場面をつくった。だが最後は遊ゴロで終戦。「(交流戦Vの)そのためにやっているわけじゃない」。西村徳文監督(52)は語気を強め、シーズンを戦っていることを強調した。

 3回までに8失点。重光昭夫オーナー代行が今季2度目の観戦に訪れ、試合前は「いい戦いができている」と期待を寄せていた。だが序盤で試合が壊れ、開始約1時間で球場を後にするほど完敗ムードが漂った。

 だが粘り腰を見せた。打点を挙げた試合で14戦不敗中だった5番角中勝也外野手(25)が2回に2号ソロ、4回にレフト越えの2点適時二塁打、6回に右中間突破の適時二塁打と、プロ入り初の4打点。6月に入り、月間打率が2割1分9厘と低調だったが、この日からバットの構える位置を投手寄りに移動した。「バットが視界に入るぐらいにした。後だと(ミートまで)距離がありすぎてミスショットが多かった」。微妙なメンテナンスが結果に直結した。不敗神話は15戦目で途切れたが「最後まで続くと思っていない」と、心残りはなかった。

 交流戦優勝は巨人の手中となった。エース成瀬は1度目の対戦後に「強打者だけでなく、今年は小技のできる選手もいるし、村田さんも場面に応じて簡単に犠牲フライを打つ。やっかいな打線だと思った」と変貌を感じた。だが巨人に2勝2敗と肉薄した数少ないチームでもあった。

 「あと1発でサヨナラというところまで行った。明日は何とかしてくれると思う」(西村監督)。まずは3連敗を止め、真のゴールであるシーズン優勝へ再出発する。【広重竜太郎】