楽天定岡卓摩内野手(25)がプロ8年目で初めて1軍に昇格する。元巨人投手の定岡正二氏を叔父に持ち注目されたが、過去在籍したソフトバンク、ロッテでは2軍生活が続いた。両球団から2度の戦力外通告を受けて、3球団目にして初めて1軍の舞台に立つ。

 今季は2軍で打率2割6分も、3本塁打で長打率は4割を超える。6日のロッテ戦では8回に代打で勝ち越しソロ本塁打を放つなど、勝負強さとパンチ力を高く評価された。この日、1軍に合流し星野監督ら首脳陣が見守る中、打撃練習を行った。「ちょっと緊張しました。初めての1軍で、いろいろ勉強になりました」と初々しく話した。今日19日のDeNA戦で出場選手登録される。外野手起用となる見込みで、大久保打撃コーチは「(2軍でも)ずっとよかったから。代打じゃなくてもいけるんじゃないか」と即スタメン起用の可能性も示唆した。定岡は「頑張ります」と意欲を見せた。

 ◆定岡ファミリー

 楽天定岡の父智秋氏は元南海(現ソフトバンク)内野手で主に遊撃手として16年プレー、オールスターに3度出場した。現在は四国アイランドリーグ高知の監督。叔父の正二氏は74年夏の甲子園でエースとして鹿児島実で4強入りした「アイドル」。巨人で先発ローテの一角を務めるなど11年プレーし通算51勝を挙げた。「定岡3兄弟」の末弟で、同じく叔父の徹久氏は外野手として広島、日本ハムでプレー。レギュラー定着はならず現役8年で引退した。

 ◆入団8年目以上の初1軍

 最近では昨年、広島白浜裕太が8年目で初めて1軍登録。広陵(広島)から03年ドラフト1巡目指名で入団した捕手で、開幕メンバー入りも4月25日に登録抹消。だが10月6日に昇格すると、同20日の中日戦でプロ初安打となるサヨナラ打を放った。また97年9月17日には、巨人渡辺政仁外野手が12年目で初めて1軍登録されたケースがある。渡辺は北陽(大阪)から85年ドラフト3位指名され投手で巨人入り。10年目の95年から外野手に転向していた。ちなみに今季8年目以上の選手で、1軍未経験者は楽天定岡のみ。