巨人渡辺恒雄球団会長(86=読売新聞グループ本社会長)が25日、都内で取材に応じ、女性問題が浮上した原辰徳監督(53)に来季も続投させる意向を示した。同会長が今回の問題について言及するのは初めて。渡辺会長は原監督は被害者と主張し、今季のみならず、2年契約の2年目となる来季の進退にも影響を及ぼすことはないと明言した。また、21日発売の週刊文春の情報源は前GMの清武英利氏(61)と断定する見解も口にしていた。

 渡辺会長が、原監督の女性問題に端を発する今回の騒動について初めて口を開いた。都内のホテルで報道陣に囲まれると、まず原監督の進退問題に言及した。

 渡辺会長

 原君は絶対やめさせない。25年も前の女性関係があったって、時効だよ。その間、女性と関係がなかったと自信がある人はいますか?

 オレは86だから、まあいろいろ…そんなことはどうでもいいんだ。

 ジョークを交えながら、言葉を続けた。

 渡辺会長

 原君は謝罪の必要はない。彼の手で日本一にさせたい。彼の人間性は好きだから、理屈から言っても彼をやめさせる理由は1つもない。最後までやってもらう。来季もやってもらう。2年契約だから。最初から言っている。契約を破る理由はない。

 女性問題で1億円を支払ったという経緯が、進退問題に発展しても不思議はない。だが、読売グループは徹底して擁護の構えを見せている。20日に白石オーナーが、今回のスキャンダルと職責は関連させないと明言している。これに続き、同会長は来季にも言及。「今季の成績は関係するか」との質問にも「ビリになったら分からないが、可能性はねえんじゃねえか」と、続投させる意向を強調した。

 読売サイドが事態を把握した09年に、原監督の辞意と、球団の慰留があった。関係者によれば、全容を打ち明けた09年の時点で、原監督は球団に対し、責任を取る決意を伝えているという。読売グループは今回公表したものと同様の調査を行い、反社会的勢力との関連がないと判断した。騒動が表面化した今回も、同グループは同様の判断を貫いている。巨人が会見した20日の前夜19日、原監督と渡辺会長、白石オーナーは会食し、09年と同じ対応をすることを確認したもようだ。

 渡辺会長は、原監督を支持する一方で、清武氏を激しく糾弾した。「清武がね、辞める前にね『原を殺してやる』『スキャンダルをばらしてやる』と3人に言っている。そのうち1人は録音している。だから清武がルートである」などと、週刊文春の情報源は清武氏と決め付けた。

 また、被害届の提出については検討中とし「問題は、相手が暴力団と認識していたか否かということ。認識がないものは罪がない。原君は被害者だ」と話した。約10分間の独演会は、原監督の全面擁護に終始していた。