中日の投手起用を巡る問題で高木守道監督(70)と権藤博投手コーチ(73)が3日、連日の会談を行い、権藤コーチが監督の望む再編を受け入れた。

 神宮のヤクルト戦が雨天中止となり、2人は室内練習場の一室で15分間の話し合いを行った。高木監督はこれまで巨人戦で3連敗した中田賢、小笠原、山内の週末ローテの再編を強く要望。しかし権藤コーチは「変えない」と突っぱねてきた。このままではチームの士気に与える影響も大きいと判断した同コーチは熟慮の末、この日の会談で譲歩案を出した。

 雨天中止を受け、吉見、雄太をスライドさせることで、小笠原の登板機会はなくなり、先発から外す。またセットアッパーの新人田島を6日DeNA戦(ナゴヤドーム)から復帰させ、10日からの阪神3連戦(甲子園)ではソトを先発に回すローテ再編を行う。これで高木監督の要望が実現する形となる。

 前日、高木監督から「仕事せんコーチは選手と同じで怒らなあかん」と指摘された権藤コーチは「仕事はしてるけど成果が上がってないから」と苦笑い。自身の譲歩案に「監督も納得してくれた」とうなずき「球宴までムチを入れていくよ」とさらなるローテ再編も検討する。高木監督はコメントしなかったが、3連覇へ“雨降って2人の理解深まる”と、いきたいところだ。【松井清員】

 ◆高木監督VS権藤コーチ経緯

 ▼1日

 巨人戦3連敗で首位陥落。高木監督が「そら負けるわ。エースが投げんようじゃ」と発言。沢村、杉内を投入した巨人に対し、中日は下降気味の中田賢、小笠原、山内。吉見が投げなかったことに関して怒り爆発。「山内もあれじゃ、次は出せんよ。当然やるでしょう」と権藤コーチに再編を指令した。

 ▼2日

 神宮外苑での全体練習中に2人がローテを巡って10分間の激論。「選手には(文句を)言ってくれるな。俺は選手を守り続ける」と権藤コーチ。巨人戦で打たれた3投手の再編を求めた指揮官に「マサ(山本昌)や憲伸も今は投げてみないと分からない。動いたら負け」と異を唱え、高木監督も渋々了承した。