<日本ハム5-8ソフトバンク>◇8日◇札幌ドーム

 日本ハムが今季ワーストの5カード連続負け越しを喫した。8日のソフトバンク戦で先発したブライアン・ウルフ投手(31)が2回に4失点するなど序盤から劣勢を強いられ、2点差に詰め寄った8回にも、榊原が3点を失った。この3連戦は45被安打と打ち込まれ、チーム防御率も2・73に後退。スタンドの声援に応えられなかった栗山英樹監督(51)は試合後、目に涙を浮かべ、悔しさをあらわにした。

 悔しさ、ふがいなさが、涙として形になった。5点差をつけられた9回も、地元のスタンドからは大声援が後押しし続けてくれた。試合後、その情景を脳裏によみがえらせた栗山監督の目は、潤んだ。「あの大歓声は一生忘れないよ。オレがこれだけ思うわけだから、みんな(選手)も感じたと思う。悔しさなのか、感謝なのかわからないけど…。そういうものに恩返ししようとやっていかないと。プロとして、やることはやらないといけない」。3万2000人を超えるファンの前で、5カード連続負け越しという屈辱に、指揮官の心は乱れた。

 先発したウルフの投球も、序盤から乱れた。2回2死満塁のピンチを背負い、松田に右前へ2点適時打を許すなど、一挙に4点を失った。「ゴロを打たせて取ることを心掛けたが、それが(野手の)間を抜けてしまった。悪い状態ではなかった」と振り返ったが、試合開始直後の大量失点は、攻撃にも影響が大きい。指揮官も「点差が開いていくと、攻撃の仕方が難しい」。相手は難敵の大隣。少ないチャンスを1点へつなげるという、試合前に立てたプランは変更せざるを得なくなった。

 ウルフは6回途中5失点で降板。先発投手の完投勝利は、4月29日楽天戦の武田勝を最後に、50試合出ていない。しわ寄せは、当然ブルペンにくる。この日も矢貫、榊原、森内が登板。37試合に投げている増井をはじめ、20試合以上登板している投手がリーグで最多の6人もおり、救援陣にかかる負担は大きくなっている。

 リーグ戦が再開して3勝10敗2分け。チームは明日10日ロッテ戦(札幌ドーム)から球宴前最後の8連戦に突入する。栗山監督は「ここをどう戦うかが大事。これだけやられても、勝負させてもらえるのを幸せに思って、1つ1つ大事に戦っていきたい」。前半戦最大の正念場が、やってきた。【本間翼】