<西武2-0ソフトバンク>◇12日◇西武ドーム

 リーグ3連覇を狙うソフトバンクが、明日にも自力V消滅の危機を迎えた。プロ2度目の先発となる西武の5年目左腕・武隈に、8回1死までノーヒットノーラン。長谷川の左前打で屈辱は逃れたが、継投にかわされ1安打完封負け。いよいよ追い込まれてきた。

 秋山幸二監督(50)の怒りは収まらなかった。伏兵武隈にいいようにあしらわれ、1安打完封負け。「なんだよ。くそおもしろくない。つまらない。サンドバッグがほしい」と何度も舌打ちした。昨季12度しかなかった完封負けが、今季はすでに11度目となった。

 相手はローテーションの谷間。試合前、都内で行われたオーナー会議では笠井オーナー代行が「もう5-0で勝ってるころだろう」と冗談も飛び出していた。秋山監督が「中継ぎに…」とこぼしたように、西武武隈は今季初、プロ入り2度目の先発だった。

 1回に四球で出塁した本多が、2回に死球をぶつけられたペーニャが二盗で揺さぶったが、攻略できなかった。藤井打撃コーチが「真っすぐを捉えたと思ったらファウルになった」と説明する最速139キロの直球とスライダー、チェンジアップで凡打の山。長谷川が8回1死から内角135キロ直球を左前打し、ノーヒットノーランを逃れるのが精いっぱいだった。

 武隈に対しては、登板数が少ないこともあり、普段は行う試合前の野手ミーティングを行わなかった。小久保は「データがないとか関係ない。制球がよかった。球種も少ないのにスイスイ行かせてしまった。打てなさすぎ」と嘆いた。大場の8回3安打2失点完投も見殺しにした。

 今日から地元福岡ヤフードームに戻りオールスター前最後の6連戦。5割で折り返すためにはもう1敗もできない。今日からのロッテ戦に2連敗すれば、その時点で自力優勝の可能性が消滅する。主将小久保は「可能性がある限り狙います」とネバー・ギブアップを宣言したが、置かれた状況は厳しい。【石橋隆雄】

 ▼ソフトバンクは最短で明日14日に自力優勝の可能性が消滅する。今日13日からのロッテ戦に●●の場合、残り62試合に全勝しても96勝41敗7分けで勝率7割7毛。ロッテはソフトバンク戦残り13試合に全敗しても、他球団との54試合に全勝すれば94勝40敗10分けで7割1厘5毛となり、ソフトバンクを上回るため。