代役ストッパーはソーサだ。中日権藤博投手コーチ(73)が23日、左肘痛で球宴での登板を回避した岩瀬仁紀投手(37)の出場選手登録を抹消する可能性を示し、代役について「結果的にソーサが9回の最後に投げていることが多くなるだろう」と話した。防御率0・00をキープする助っ人右腕を中心に、後半戦開幕戦となる25日阪神戦(ナゴヤドーム)に向かう。

 岩瀬の代役は、ホルヘ・ソーサ投手(35)になりそうだ。球宴期間中に左肘の違和感を訴えた岩瀬は、この日の第3戦も登板しなかった。25日からの阪神2連戦の欠場は決定的。右肩を痛め2軍調整中の浅尾に加え、勝ちパターンの絶対的守護神も欠く緊急事態。試合前、球宴で全セの指揮を執る中日高木守道監督(71)は「違和感があるようだ。無理はさせられない」と、心配そうに話した。

 ナゴヤドームで練習を見守った権藤コーチは、岩瀬について「まだどうするか決めてはいない。ただ、岩瀬といえども、投げられないというなら(1軍に)置いておくような余裕はない」と、出場選手登録抹消の可能性も示した。代役についても「だれとは決めない。ただ、結果的にソーサが9回の最後に投げていることが多くなるだろうね」と踏み込んだ。30試合で自責0と抜群の安定感を誇る助っ人右腕に期待を寄せた。

 ソーサはメジャー通算44勝で、常時150キロ近い剛球とキレ味鋭い変化球で相手を料理する。メジャーで7セーブの実績もあり、守護神の代役としてこれ以上ない人材だ。「クローザーの経験はメジャーでもある。7、8、9回どこで投げようと、3つのアウトを取ることに変わりはない」と頼もしい。メジャーでは基本は先発で、セーブを挙げたのは「本来のクローザーが、けがで一時的にチームを離れたからだ」と説明。その経緯は、今回の非常事態に重なる。球もすごいが顔もいかつい。威圧感という点では、球界NO・1といってもいい。

 投手の調子や打者との相性などを考慮し、臨機応変に総動員で乗り切るが、中心となるのはソーサ。権藤コーチは「(岩瀬が)いないとなるなら、それはそれで覚悟を決めてやれる」と話した。非常事態で踏ん張り、リーグ3連覇につなげる。【八反誠】