メジャー球団の視察も“消化不良”に終わった。米大リーグ、ダイヤモンドバックスの球団首脳が甲子園で阪神を表敬訪問。2日に来日したデリック・ホール最高経営責任者(CEO)、ケビン・タワーズGM、ルイス・ゴンザレスCEO補佐がヤクルト13回戦を観戦し、阪神の南信男球団社長、高野栄一球団本部長と会談した。

 南社長は「あいさつをしただけ」と話したが、両球団の関係強化がおもな目的。一方で、海外FA権を取得する藤川球児投手(32)、鳥谷敬内野手(31)の視察も兼ねていた。タワーズGMは「2人とも以前からプレーの映像を見て、ある程度の調査はしているけど、具体的なことはここでは言えない」と話し、プレーの印象に明言を避けた。

 ホールCEOは95年に野茂がドジャースに入団した当時の広報担当。日本人選手への思い入れも深く「できるだけ国際的なチームを作りたい」と補強方針を説明。同GMも「昔から日本選手は基本に忠実。投手は制球も良く投球フォームもきれい」と評価。ダイヤモンドバックスには斎藤が在籍しており今後も阪神の2選手を徹底マークする。

 通算354本塁打をマークしたゴンザレスCEO補佐も同行。7回に右前打を放った鳥谷の適性にも細かいチェックを入れた。チームは敗れ、藤川の登板はなし。一行は明日4日、大リーグ機構が行う東日本大震災の支援の一環として宮城・石巻市を訪問し、5日はDeNA-巨人(横浜)、7日はロッテ-西武(QVCマリン)を視察予定。この日は、レンジャーズのスカウト陣もバックネット裏で目を光らせるなど、2人への注目度が高まってきた。【酒井俊作】