<巨人1-1阪神>◇7日◇東京ドーム

 阪神桧山進次郎外野手(43)に神業の同点打が飛び出した。1点を追う8回2死三塁で代打登場。難敵、巨人山口がマウンドに上がる。その初球だ。外角高めの144キロ直球をコンパクトにミート。ライナーで中堅左に弾ませ、試合を振り出しに戻した。

 「(山口とは)久しぶりの対戦ちゃうかな。いい意味で開き直っていけた。久しぶりに一発で仕留められた。いいところで打てた、というのが正直なところやね」

 約2年ぶりの対戦。ひと振りにかける勝負師の集中力が勝った。チームは4連敗中。どん底の虎を奮い立たせる一打で、5月9日広島戦(ハードオフ新潟)以来の今季3打点目を記録。健在ぶりを見せつけた。

 「うちは本当は勝たないとアカンねんけどね。巨人にやられっぱなしだったから」

 この日まで宿敵巨人とは6連敗中。東京ドームに限れば今季5敗1分けと勝ち星すらなかった。東京ドーム初星とはいかなかったが、神様が虎の意地を体現した。

 ▼桧山が代打で同点打。安打は4試合ぶりで、打点は5月9日広島戦(H新潟)以来、31試合ぶり。山口はこの試合まで登板50試合で自責3、防御率0・52の難敵だったが、一振りで仕留めた。代打での通算打点は95となり、球団歴代2位の遠井吾郎に1、1位八木裕に3と迫った。