11日に脳内出血のため63歳で急逝した中日稲葉光雄2軍投手コーチの通夜が14日、名古屋市内の斎場で営まれ、約300人が参列した。お別れにやって来た白井文吾オーナーは「突然のことだから、遺族が気の毒で」と心を痛めつつ「選手もショックだろうけど、故人のためにも頑張らないとな」と奮起を求めた。

 ちょうどチームが巨人に先制されたころ、通夜が始まった。祭壇の遺影の脇には背番号89のユニホーム。斎場内には稲葉さんが倒れたウエスタン・リーグ広島戦(ナゴヤ球場)の試合中につけていたスコアブックが置かれていた。記述は、異変を訴えた3回表途中で途絶えていた。それは、最後までユニホーム姿で現場で戦い続けた証し。2軍でチーム強化に情熱を注いだ故人の遺志に報いる時だ。

 同コーチが亡くなった悲報が届いた11日DeNA戦からチームは3連敗。今日こそ弔い星を挙げて、首位巨人追撃の姿勢を示す-。そんな戦いを、天国の稲葉さんも待っているはずだ。