阪神桧山進次郎外野手(43)が、来季も残留する可能性が高まった。南信男球団社長(57)、中村勝広GM(63)、和田豊監督(50)ら球団首脳が都内の宿舎で拡大編成会議を行い、来季構想を話し合った。最終的に残留が決まれば、タテジマ一筋の「代打の神様」が、自らが持つ球団記録を更新する在籍22年目のシーズンに入る。

 「代打の神様」が来季も残留する可能性が高まった。南球団社長や中村GMら球団首脳が東京入り。和田監督を加えて、14日の巨人戦後に都内のチーム宿舎で拡大編成会議を行った。来季コーチ陣の組閣や戦力補強、整理選手など多くの課題を話し合った模様だ。その案件のひとつとして、43歳のベテラン・桧山の去就も議題に挙がった。

 チームの建て直しが急務の阪神は、12日に金本が今季限りの現役引退を発表。チームのお手本とも言える精神的支柱を失うことになった。今季でタテジマひと筋21年目を迎えた桧山は、打率こそ2割4分1厘ではあるが、持ち前の勝負強さは変わらない。8月23日の中日戦(倉敷)では、勝利を決定づける2点タイムリーを放ち、代打通算98打点を記録。球団最多の八木(現育成チーフコーチ)に並んだ。球団の在籍年数も、21年目で遠井吾郎氏を抜く球団新記録を打ち立て、名実ともに「代打の神様」として、不動の地位を築いた。

 今季は厳しいシーズンインになった。オフに左鎖骨を骨折するアクシデントに見舞われた。しかし驚異的な回復で開幕1軍に間に合わせた。5月27日の西武戦(甲子園)に5番右翼でスタメン出場を果たし、若手に負けない健在ぶりをアピールした。ファンの間でもチームで1、2位を争う人気を誇る。和田監督は「それは帰ってからのこと。現時点では何も…」とベテランの去就に関して多くを語らなかったが、来季も戦力になれると球団は検討した。

 桧山自身も現役続行に強い意欲を燃やしている。最終的な交渉の場はオフになるが、来季の契約が正式に決定すれば、「代打桧山」のコールが球場に響く。自らが持つ球団記録を更新する阪神在籍22年目のシーズンを迎えることになる。

 ◆桧山進次郎(ひやま・しんじろう)1969年(昭44)7月1日、京都府生まれ。91年ドラフト4位で阪神入り。06年から代打の切り札として活躍し、起用回数695、本塁打14、安打148、打点98の代打での球団記録を樹立。通算成績は1896試合に出場し、1253安打、159本塁打、694打点、打率2割6分1厘。177センチ、80キロ。右投げ左打ち。