<阪神3-0DeNA>◇9日◇甲子園

 強い絆を感じさせた3連打だった。6回裏に阪神金本知憲外野手(44)が中前打を放ち、さらに盗塁に成功。盛り上がるスタンドで、新井貴浩内野手(35)が続いた。センター前にはじき返すクリーンヒット。金本は本塁で憤死となったが、最後にAKコンビが見せた。

 新井貴

 今日1日、しっかりと目に焼き付けた。お疲れさまでした、という言葉しか見つからない。金本さんらしい笑顔のあるセレモニーでした。

 古巣広島から後を追うようにFA移籍。本当の兄弟以上の存在で14年間をともに歩んだ。セレモニーの時には、金本が新井貴にビンタをかます。ファンを喜ばせた「イジリ」もグラウンドではもう見られない。

 新井貴

 14年間、いろいろな思い出がある。自分の中で思い出しながら、見ていた。いっぱいいろんなことがあるんで…。

 絆の3連打…。最後は新井良太内野手(29)だった。2人に続く中前打で、新井貴が本塁に生還。ベンチ、スタンドが歓喜でひとつになった。

 新井良

 これで終わりだな、という感じだった。スチールもそうだし、金本さんのプレーで、いつも以上に気持ちが入った。あれが金本さんのスタイルだから。

 金本の最後のスピーチを新井良は号泣しながら聞いた。後輩たちに託した日本一-。新井貴は不振からの脱却、そして4番返り咲き。新井良はさらなる飛躍。来季は新井兄弟がアニキの思いに応える。