楽天中島俊哉外野手(32)が、「左キラー」復活を目指す。今季も開幕から1軍で、主に左投手の先発時にスタメン起用された。前半戦まで打率3割をキープしたが、後半戦で調子を落とし、2割5分に終わった。「自分は打たないと仕事にならないから」と悔しさの残るシーズンだった。

 努力は怠らなかった。9月上旬に2軍に降格。2軍の全体練習終了後は、室内練習場で約1時間、打撃マシン相手に黙々とバットを振った。今季限りで退団した広橋育成チーフコーチにスイングの軌道をチェックしてもらい、復調の糸口を探した。だが9月下旬に1軍昇格後も、3打席で無安打と結果を残せなかった。

 09年は球団初のクライマックスシリーズ進出に貢献。当時ソフトバンクの杉内から3ランを放つなど、勝負強さが持ち味の男も「過去のことはいいんですよ」と、前だけを見ている。秋季練習3日目の18日には、フリー打撃で柵越えを放った。決して長距離打者ではないが、広いKスタ宮城でスタンドに放り込んだ。「風だよ、風」と笑い飛ばしたが、左キラーの仕事人復活を期待させる打撃だった。【斎藤庸裕】