年間通して最も活躍した先発完投型投手に贈られる沢村賞の選考委員会が29日、都内で開かれ選考委員の協議の上、ソフトバンク摂津正投手(30)が初選出された。

 摂津は7項目の選考基準((1)15勝以上(2)150以上の奪三振(3)10試合以上の完投(4)2・50以下の防御率(5)200イニング以上の投球回数(6)25試合以上の登板数(7)6割以上の勝率)のうち5項目をクリアした。同じく5項目をクリアした広島前田健も最終候補に残ったが、両リーグトップの17勝、1人で12個の貯金を積み上げた摂津に軍配が上がった。

 選考過程では、完投数と投球回数が基準に届かず「該当者なしにすべきだ」との意見も出たという。土橋委員長は「(先発とリリーフが)分担業となり、7項目をクリアするのは難しいかもしれないが、全体的には低いレベルの戦いだった。来年はセ、パともに7項目で抜群の成績を挙げるような投手が出てきてほしい」と、ハイレベルな争いを期待した。受賞した摂津には金杯と副賞300万円が贈られる。

 ◆沢村賞選考委員(敬称略)

 土橋正幸、平松政次、堀内恒夫、村田兆治、北別府学。