開花の予感ダ~ン!
野手転向1年目の阪神一二三慎太外野手(20)が4日、高知・安芸秋季キャンプで行われた紅白戦で、左翼越え本塁打を放った。今季、1軍でデビュー2連勝した同期の岩本輝投手(20)から1発。期待の若虎の一撃を首脳陣も高評価した。生え抜きスラッガー誕生へ。夢が膨らんだ。
しばき上げた打球が、あっという間に左翼の防球ネット下方に到達した。期待の若虎一二三が同期の岩本から、弾丸ライナーで1発をぶち込んだ。今キャンプでトップの143キロをマークしたスイングスピードは、本物だった。
一二三
3-2で首を振ったので、多分真っすぐやろうなと思った。最初はアウトコースで、内がくると思って反応できた。
4回だ。フルカウントからの7球目、内角高め136キロ直球に反応。中村GMから“強化指定選手”に指名されている一二三が才能開花を予感させた。
8月21日育成試合・甲賀健康医療専門学校戦(皇子山)で“プロ初本塁打”をマークして以来の2発目だ。ハイタッチで白い歯をこぼしたが、決して浮かれてはいない。野手転向1年目で、初の秋季キャンプ参加。とにかく必死だ。
一二三
結果を出すのもそうだけど、練習の姿勢も大事にしています。今日のことは終わったので、切り替えて、明日も練習して、紅白戦でアピールしたい。
1軍首脳陣の前で猛烈なデモンストレーションに成功。中村GMは、巨人OBの広岡達朗氏(80)から「1軍に出てくるのが一番早い」と言われたことを明かし、目を細めた。
期待の若虎は、1冊の本を読んでいる途中だ。サッカー日本代表DF長友佑都(26=インテルミラノ)の著書「上昇思考」。20歳の誕生日にプレゼントされた1冊を就寝前に10分間読むのが日課となった。「競技は違うけど、メンタル面はやっぱり一緒なんやなって参考になりますね」。今キャンプでは連日、体をいじめ抜き「疲れてすぐ寝てしまって読めないんですけど」と苦笑いする。
一二三
形とかじゃない。アピールしないといけないので。
少しずつでもいい。着実にアピールを続ける。センスあふれる打撃と身体能力の高さ。将来、スラッガーになれる可能性が見えた。10年夏の甲子園準V右腕が聖地凱旋(がいせん)を目指し、上昇カーブを描いてゆく。