ソフトバンクは13日、DeNAとの交換トレードで獲得した3選手の入団会見を福岡ヤフードームで行った。08年に34本塁打を放った吉村裕基外野手(28)は背番号6となり、地元福岡での復活を宣言。王貞治球団会長(72)と秋山幸二監督(50)にアーチ量産の極意を教わり、ホークスの日本人野手では05年松中信彦以来となる30本塁打を目指す。山本省吾投手(34)は背番号38、江尻慎太郎投手(35)は00となった。

 ホークスの一員となった吉村が目を輝かせた。10年以降は低迷が続くが、復活のイメージを抱いて地元に戻った。「力強い打球を遠くに飛ばすのが持ち味。最近は見せられていないが、もう1回、福岡のファンの前で見せたい。当然、優勝することが目標です」。かつて横浜では「ハマのヘラクレス」と呼ばれた。今度は「鷹のヘラクレス」になるつもり。背番号は多村がつけていた6に決まった。

 通算111本塁打。08年に34発の実績が光る。本拠地は横浜スタジアムから広い福岡ヤフードームに変わるが、目指すのはシーズン30発の再現だ。「今は(統一球で)20本打つのが大変。ましてや福岡ドームなので。まず試合に出ることが大事だけど打席に多く立つことがあれば、そういうチャンスも出てくる」。

 福岡出身だけに秋山監督は憧れの存在。「僕が子供の時にホークスで背番号1をつけてやっていた」。巨人でこちらも背番号1を背負った王球団会長にも尊敬の念を抱く。「おふたりの打撃はすごい。指導していただきたい」。計1305本塁打の2人からアーチ量産の極意を聞き出すつもり。必要なら1本足打法への変化もいとわない?

 ほどの覚悟がある。「ゼロからのスタート。毎日が最後だと思ってしっかりやりたい」との言葉には、相当な決意が感じられた。

 会見後は早く雰囲気になじむためか、同じくトレード移籍組の江尻、山本とともに、ドームの社員食堂で腹を満たした。今日14日から宮崎秋季キャンプに参加。外野手登録だが、ファーストミットも持参した。小久保の引退で空席となった一塁手の座を狙う。【大池和幸】