<国際強化試合:日本3-1キューバ>◇18日◇札幌ドーム

 「浩二ジャパン」が最高のスタートを切った。16日の初陣に続く2連勝。WBC本番で同じ組に入るキューバに新生・侍ジャパンの力を見せつけた。勝利のハイタッチを終えた山本浩二監督(66)は「本当に『前へ前へ』という気持ちでプレーしてくれた。勝てたことは選手たちにとって自信になると思う」と、目を細めた。

 キューバ代表は国内リーグの開幕前で、まだまだ調整段階。今回の勝ち負けは参考程度にしかならない。それでも「本気度100%」の宿敵に、完勝したことには大きな意味がある。送りバントにけん制のサインプレー、足を使った攻撃…。結果だけでなく内容でも圧倒した。山本監督は「(ミスが多かったキューバに比べ)日本はミスなくきっちりとした野球ができた」と、満足げにうなずいた。

 今回の2試合で山本監督が選手に求めたのは「普段通りに、思い切ったプレーを」というシンプルなものだった。この日の試合前のミーティングでも選手たちにこう言った。「第1戦はみんなの気持ちがすごく伝わってきた。今日が今シーズン最後のゲーム。目いっぱい、いこうやないか!」。短いひと言だったが、口調は熱を帯び、力強かった。

 大リーガーの相次ぐ辞退が、純国産の若侍の闘志に火を付けた。「メード・イン・ジャパン」でも世界と互角以上に戦える。それを証明してくれた選手たちの心意気が、何よりも大きな収穫だった。今月末の本番メンバー28人提出を前に行われる選手選考が、白熱した議論になることは間違いない。「みんながこれだけ気持ちを出したプレーをしてくれると、もちろん悩みます」。困った表情をつくった山本監督の目は、笑っていた。【広瀬雷太】

 ▼日本がキューバに連勝した。前回の09年WBCでは、第2ラウンドでキューバと2度対戦し、3月15日が6-0、同18日が5-0と2試合連続完封勝ち。その後、10年10月のインターコンチネンタル杯でキューバに1-4で敗れたが、この時は全員プロもファーム中心のメンバー構成。メジャー選手を含め1軍主力が集まった日本代表としては、4連勝となった。