日本ハム陽岱鋼外野手(25)が、スターの継承者に指名された。来季から背番号が「24」から「1」への変更が決定したことが21日、分かった。背番号「1」は、04年に北海道へ本拠地を移転後に活躍し、球団を全国区にした新庄剛志氏(40)の象徴だった。譲り受けたDeNA森本稀哲外野手(31)が、在籍した10年まで背負っていたが2年間は空き番号。球団側は慎重に後継者を模索していたが、ようやく誕生することになった。

 名実ともに、陽岱鋼が次代の外野陣を担う若き柱になった。今季は自身初、パ・リーグではただ1人の全144試合フルイニング出場を果たした。右翼から中堅にコンバートされてゴールデングラブ賞も初受賞する躍進の1年だった。森本と同様に右打者で中堅手という、新庄氏の系譜を引き継ぐには十分の要件を満たしたと、球団は判断。新庄氏、森本にあこがれていた陽岱鋼もかねて希望していた。由緒ある番号が、満を持して2年間の封印から解かれることになった。

 今季は7月のオールスターでMVPを獲得するなど、新庄氏の代名詞だった大舞台の強さ、強運ぶりもアピールした。お立ち台ではお笑いタレント藤森慎吾の“チャラ男”のキャラクターからヒントを得た「サンキューで~す!」の決めぜりふで、エンターテイナーぶりも発揮。打撃不振だった日本シリーズは敗退し「来年は絶対に日本一になりたい」と誓った来季はプロ8年目。スターへの階段を一気に駆け上がるための発奮材料は、背中に重く、輝く、栄光の「1」になる。