阪神鳥谷敬内野手(31)が11日、日本代表候補に選ばれているワールド・ベースボール・クラシック(WBC)について激白した。ドミニカ共和国代表でメジャー屈指の遊撃手であるホセ・レイエス(29=ブルージェイズ)ら一流の高い技術を吸収する考えを初めて明かした。世界のスーパースターたちのプレーを教材に、自らも日の丸を背負って世界一を目指す。

 鳥谷は興味深く新聞をのぞき込んだ。すでに発表されたWBC各国代表候補選手の欄。ベネズエラにはメジャー3冠王カブレラ(タイガース)、ドミニカ共和国には華麗な遊撃手として好きな選手、レイエス(ブルージェイズ)もいる。そうそうたる名前を目に焼きつけ、気合を入れ直した。

 鳥谷

 レイエス、出るの?

 カブレラも?

 すごいな。必死でやって最後までメンバーに残って、海外の選手と対戦できれば。決勝トーナメントで(レイエスらを)見てみたいという気持ちは強いですね。

 来年3月に開催されるWBC候補34選手の1人。メンバーは2月15日から始まる宮崎・強化合宿でふるいにかけられ、28人に絞られる。本職の遊撃だけでなく二塁、三塁も期待される立場。なんとしても本大会メンバーに名を連ねる覚悟だ。

 レイエスやカブレラだけに限らず、遊撃手として打者として、技を研究したい野手は山ほどいるだろう。ただ第1ラウンドA組の日本がC組のドミニカ共和国、ベネズエラ、D組の米国と対戦するには、第2ラウンドも勝ち抜いて米国・決勝トーナメントに進出する必要がある。世界一を狙う代表の一員として、向上心の強いアスリートとして、貪欲に勝利を目指す。

 鳥谷

 体は全然、問題ない。出来上がるのは早い方だから。二塁や三塁はもちろん練習するしかない。それで無理かどうかは判断してもらうしかないから。

 通常のシーズン開幕より約1カ月早く仕上げる必要があるが、もともと例年早く仕上げるタイプだけに問題はなさそうだ。トークショーの中では「自分は高校、大学と二塁から入ってショートになったから」と説明。早大1年春も二塁レギュラーの座をつかみ取っており、二塁手としての高い能力にも期待がかかる。

 鳥谷

 遊撃は全部ボールに向かっていけばいいけど、二塁はカバリングやバックアップも違う。逆の動きもあるし、三塁より二塁の方が難しい。自主トレで井口さんから聞いて勉強したい。

 年明けからは恒例となっているロッテ井口との沖縄合同自主トレに参加予定。まずはメジャーで世界一を経験した名二塁手からエキスを吸収し、本大会では超一流を教材にする。鳥谷の向上心はとどまるところを知らない。【佐井陽介】

 ◆ホセ・レイエス

 1983年6月11日、ドミニカ共和国生まれ。99年8月にドラフト外でメッツ入団。03年にメジャーデビュー。05年から3年連続盗塁王。08年ナ・リーグ最多安打。今オフにマーリンズを経て、ブルージェイズ移籍。メジャー通算成績は実働10年で打率2割9分1厘、92本塁打、480打点。185センチ、88キロ。右投げ両打ち。

 ◆ミゲル・カブレラ

 1983年4月18日、ベネズエラ生まれ。99年にマーリンズと契約。08年にタイガースに移籍。本塁打王、打点王各2度、首位打者1度。メジャー通算成績は実働10年で打率3割1分8厘、321本塁打、1123打点。193センチ、109キロ。右投げ右打ち。