金本氏や阪神選手が思わぬ騒動に巻き込まれた。阪神は12日、球団公認応援団を名乗る団体が、今季限りで引退した金本知憲氏(44)と阪神の5選手が参加すると装った有料パーティーの入場券を販売していると発表し、「当球団とは何ら関係ありません」と注意を呼び掛けた。また、同団体による球団の商標権侵害を兵庫県警甲子園署に届け出た。

 問題となったのは阪神球団公認応援団を名乗る団体が主催し、来年1月6日、兵庫・姫路市のイベント会場で行う「新春大パーティー」。参加費は1人1万5000円。同団体のサイト上には金本氏、新井兄弟、福原、俊介、上本と主に広島・広陵高出身の選手が出演予定と告知されていた。

 これに対し、11月下旬、一般ファンから球団に問い合わせがあり、調べたところ、金本氏も、他の選手たちも出演予定はないことが判明。その後、12月上旬に同様の問い合わせが2件あり、事態を重くみた球団はこの日、球団のホームページ上で「当球団の所属選手出演を装った不審な有料パーティーにご注意ください」などと注意を呼び掛けるとともに、商標権侵害を甲子園署に届け出た。

 四藤慶一郎球団専務は「選手に確認しましたところ『そういう予定はありません』ということだった。タイガースの商標を使って広報しているので商標権侵害。虚偽の疑いがありますし、事件性のある事案だったので兵庫県警に調査をお願いしました。被害の拡大を阻止していくことも考えないといけない」と説明した。

 金本氏は球団広報を通じて「存在しない話で強く憤りを感じます。存在しないものに勝手に名前を使うなんて、とんでもないことだと思います」と怒りをにじませた。また、新井貴も同様に「自分の名前を利用されたことは誠に遺憾です。このようなことが2度とないように強く願います」とコメントした。

 これに対して、団体の事務局担当者の男性は「パーティーは中止にします。お金を振り込んでいただいた方には必ずお返しします。我々も何でこういうことになったのか、わかりません。現在、原因を調査中です」と話した。先着100人の募集をうたっていたが、現時点での応募者数は明かさなかった。

 この団体は実際に会場も予約していた。だが、だれが、どのように選手の出演を偽装したのかは「詳しくは申し上げられません」と言うばかり。球団も、金本氏も、選手たちも、とんだ騒動に巻き込まれた。