3連覇への秘策は「9人リレー」だ!

 来年3月に開催されるWBC日本代表の山本浩二監督(66)が、滞在先のハワイで、異例の投手起用を検討していることを明かした。WBCには、50球以上投げた投手は中4日の登板間隔を空けなければならない特別ルールが設けられている。初戦のブラジルと2戦目の中国に連勝し1次ラウンド突破が確定した場合、3戦目のキューバ戦は小刻みな継投を展開し、2次ラウンドに備える構えだ。

 3月6日のキューバ戦で50球以上投げた投手は、11日まで登板できなくなり、8日に始まる2次ラウンドの起用の幅が狭まってしまう。山本監督は球数を最小限にとどめる継投について「そうなる可能性は強いやろな」と、うなずいた。1次ラウンドでベンチ入りする全投手を起用し、WBC独特の雰囲気に慣れさせたいという狙いもある。

 07年の球宴で中日落合監督(当時)が率いた全セが、1人1イニングずつ、9人の継投で全パの強力打線を1安打完封した。今回の侍ジャパンも、リリーフのできる、タイプの異なる投手がそろっており「9人リレー」が再現される可能性はある。そのためには、ブラジルと中国に連勝することが絶対条件。無傷の3連勝で1位通過を目指すスタンスにも変わりはない。山本監督は「変に意識しすぎることなく、1戦1戦という気持ちでいく」と、表情を引き締めた。(ホノルル=広瀬雷太)

 ◆WBCの球数ルール

 詳細は確定していないが、過去2回と同様の規定が設けられる見込み。1試合50球以上投げた投手は中4日、30球以上(49球まで)は中1日の登板間隔を空けなければならない。29球以下なら2日連続の登板が可能だが3連投はできない。また、球数制限もあり、06年の第1回大会は1次ラウンドが65球(09年第2回は70球)、2次ラウンドが80球(同85球)、準決勝と決勝は95球(同100球)だった。今回も同程度の球数制限となる予定だ。