ソフトバンク松田宣浩内野手(29)が来季ホームゲームで「お立ち台10回」との珍公約を掲げた。15日、福岡ヤフードーム内の球団事務所で、現状維持の年俸1億円(推定)でサイン。今季は右手甲の骨折で2カ月離脱したが、貢献度を評価されダウンを免れた。来季は不動の5番打者としてフルイニング出場しての打点王が目標。打点を稼ぎまくって、お立ち台でマッチ節を何度も響かせる。

 松田が来季目標を軌道修正した。最多安打のタイトルに意欲を燃やしていたが…。「内川さんが“誰にも譲らん”と言ってたので、そこは無理かなと」。ならばとターゲットに掲げたのが、打点王だった。「来季は5番を1年間通して打ちたい。5番なら打点王。チャンスに強いバッターになりたい」。

 ここ2年の得点圏打率は3割2分以上。すでにクラッチヒッターと言えるが、目指すのはさらに上の領域だ。関連して、ユニークな目標も掲げた。

 「お立ち台にまず10回立ちたいですね」

 今季主催試合では7回。摂津と並びチーム最多タイだった。おなじみの「1、2、3、マ~ッチ」と叫ぶフレーズは来季も継続。数が増えればチームの日本一奪還が近づく。今季、パ3連覇を逃したのは得点力低下が大きな要因だった。

 松田は昨季、全試合フルイニング出場。今季も7月まで継続していた。8月1日楽天戦の死球で同3日に登録抹消。2カ月間離脱した。「個人的にはけがをしたので納得できるシーズンではなかった。けがせずに、もう1回フルイニング出場を続けていきたい」。死球のけが防止として、手の甲に装着するプロテクターもメーカーと相談中だ。

 ダウン覚悟だった更改は、故障まで打率3割を切らず、打点王も争った活躍により現状維持。「配慮してもらった」と感謝した。石渡編成・育成部長が「今後はよりチームリーダーとしての役割をお願いした」と話したように、小久保裕紀氏が引退した内野陣の次期リーダー候補として“期待料”込みの金額だった。

 お立ち台の数、打点王に加えて本塁打数も「20、30本と増やしていきたい」。トリプルスリー(打率3割、30本塁打、30盗塁)も「フルイニング出場すれば見えてくる」と、02年西武松井(現楽天)以来の達成を視野に入れる。来季は30歳となる背番号5。区切りの1年で、さらに飛躍してみせる。【大池和幸】