いじり芸は現役バリバリ!?

 今季限りで現役引退した金本知憲氏(44)が30日、広島市内のジム「アスリート」で阪神新井貴浩内野手(35)を思う存分いじり倒した。右肩痛のリハビリを続けながら来季4番復帰を目指す弟分に“猛口撃”。誰よりも新井復活を期待するからこその、愛情たっぷり「いじり納め」だ。

 「トレーニング中ですから!」。新井が苦笑いで無視を決め込んでも、お構いなし。金本氏は満面の笑みを浮かべ、四方八方で弟分をいじり倒した。言葉の節々にたっぷりの愛情をにじませ!?

 今年最後のお家芸を楽しんだ。

 金本氏

 新井が4番?

 代打の切り札やろ!

 3点差で併殺がないノーアウトランナーなしの場面とか、9回5点差とかの代打な。

 右肩痛のリハビリを続ける新井が午後2時前、今オフ初めてジム「アスリート」を訪れた。その直後、満を持して金本氏も登場だ。「わざわざ(自分が)来る日に合わせて…」とは新井。引退してなおバーベル、ダンベルなどを使うハードトレを続けながら合間をぬっては「公開いじり」。「オマエ、ここに来たらアピールするんやのう」。時には報道陣に、時には新井本人に声を張り上げた。

 金本

 こいつが甲子園でトレーニングするの見たことあるか?

 ウソだと思うならセキ(関本)、トリ(鳥谷)に聞いてみ?

 アピールすることに神経使いすぎるからバッティングがダメなんよ。あいつは(クラブハウスでも)5時間サウナに入ってるだけや。

 トレーニング用の細い棒で新井をペシペシたたく場面も。「竹刀買っといて。新井を鍛えるのに。木刀でもいいし」。最後は新井が「早く帰ってくださいよ!

 よいお年を!」と無理やり幕引きを図り、「よい人生を!」と返して爆笑の「いじり納め」。アニキが姿を消した直後、今度は弟分がわざとしみじみとした表情を作り、ニヤリ笑って仕返しだ。

 新井

 寂しいんでしょ。今までは気づけば、すぐ隣に僕がいるのが当たり前だったから。今日も楽しかったんじゃないかな。朝起きて、久しぶりに新井に会えるとウキウキして来たんじゃないかな。

 もちろん、必死でリハビリを続ける新井の姿は百も承知のはず。猛ゲキは愛情と期待の裏返し。4番を取り返せ!

 誰よりもそう願うからこそ、年末に「愛のムチ」がしなった。【佐井陽介】