ムネオも千春も仰天のルーキー誕生の予感だ。日本ハムが来季、北海道にピッタリな名前を持つ剛腕の獲得を目指していることが3日、分かった。最速152キロの本格派右腕で今秋ドラフトの目玉、九州共立大・大瀬良(おおせら)大地投手(3年=長崎日大)を1位指名候補にリストアップしていることが判明した。アマ日本代表入りするほどの即戦力としての実力を評価。人気沸騰しそうな逸材だけに密着マークすることになりそうだ。

 昨年の大谷に続き、また夢のある金の卵を最上位指名する可能性が出てきた。大地の名前を持ち、複数球団が既に1位候補に挙げているのが大瀬良だ。球団幹部は「今年も含めて、ずっと見ている。昨年のドラフトの段階でも他球団も含め、1位の評価をするような投手」と高く買っている剛腕。大学3年生ながら昨年のアジア選手権で社会人、上級生らに交じり代表入り。速球派だが変化球の精度も高く現段階でも、争奪戦必至の注目株の1人だ。

 札幌ドームへ本拠地移転10年目を迎えた日本ハムにとって、くしくもスター候補の魅力も併せ持っている。北海道がよく形容される、名前は大地。新党大地は鈴木宗男代表(64)で、歌手松山千春(57)の名曲「大空と大地の中で」に象徴されるように、なじみやすい。梨田前監督は色紙に「夢と大地」と記していた縁もある。もちろん大瀬良の抜群の将来性を最優先に考えての戦略になるが、ユニホームを着た「北の大地」が実現なるか。サプライズ・ドラフトの再来に今年も注目だ。

 ◆大瀬良大地(おおせら・だいち)1991年(平3)6月17日、長崎市生まれ。鹿児島・霧島国分西小4年時に「国分西野球スポーツ少年団」で野球を始め、小5から投手。霧島国分南中では投手と内野手。長崎日大では2年秋からエースとなり、3年夏に甲子園出場。1回戦で花巻東・菊池雄星(西武)と投げ合い、5-8で敗退した。九共大では1年春に新人賞。11年春から3季連続MVP。一昨年7月、日米大学野球の日本代表入り。昨年11月のアジア選手権では社会人中心の日本代表メンバーに選ばれた。186センチ、89キロ。右投げ右打ち。