広島松田元オーナー(61)が15日、マツダスタジアム内の球団事務所で開幕ダッシュを厳命した。当面の目標として「開幕9連戦で6勝3敗」「5月末までに貯金10」を設定。そのまま勢いをキープし、16年ぶりのAクラス、22年ぶりのリーグ優勝を目指す構えだ。

 勝ち抜くにはロケットダッシュを決めるしかない。ペナント戦線を優位に進めるために、松田オーナーは2つの目標を厳命した。

 「開幕で巨人をたたいてリズムに乗ってヤクルト、阪神と戦っていければ。最初の9試合で6勝3敗。5月までに貯金10」

 3月29日からの巨人との開幕3連戦(東京ドーム)で弾みをつけて、地元に戻ってのヤクルト、阪神相手の地元マツダスタジアムでの6連戦で勢いづく青写真を描いていた。

 昨年は開幕9連戦で6勝2敗1分けと好ダッシュを決めている。開幕2カード目となった巨人に3連勝して6連勝した。しかし、4月末から中継ぎ陣の不調や打撃不振で、交流戦前には借金6となった。5月末には借金9までふくらんだ。

 91年以来、22年ぶりのリーグ優勝を目標に掲げる。広島の優勝を知る現役選手は前田智のみ。「(チームに)力があれば追い抜くこともできる。優勝経験がない選手が多いので、ある程度は突き進んで上がっていくことが重要」。開幕の勢いを保ちながら最後まで逃げ切ることが理想だ。

 期待しているのは新外国人ルイスと岩本、松山、天谷ら。「ルイスには期待している」と俊足巧打の助っ人の活躍に早くも注目する一方で、日本人打者の活躍も必要と踏んでいる。「岩本や松山らも外国人に負けないように、レギュラーを取るぐらいでないといけない」と話した。

 昨年はDeNAから貯金10を稼ぐ一方、巨人、中日には大きく負け越した。「偏るのではなく、まんべんなく。巨人や中日にも勝っていく必要がある」と、強い広島の完全復活を願っていた。【中牟田康】