西武に復帰したブライアン・シコースキー投手(38=カナダ独立リーグ)に、先発転向プランが浮上した。10年に33セーブを挙げてタイトルを獲得した中継ぎのスペシャリスト。広島から新加入したサファテと抑えの座を争うとみられたが、渡辺監督は「昨年は先発でやってきたからね。いろいろ考えている」とチーム状況次第で、中継ぎと先発の“二刀流”を考えていることを明かした。

 FA権を取得して日本人扱いの38歳右腕は、昨年プレーしたカナダ独立リーグで新たな適性を示した。登板12試合で10試合に先発して9勝0敗、防御率2・43を記録。ダルビッシュら使い手が少ないワンシームを新たに覚えて、投球の幅を広げた。11年に右肘を手術して退団したが、昨秋の入団テストでは147キロをマークして健在ぶりを示した。

 チームとしても不測の事態に備える。故障者などで先発が不足した昨季は、苦肉の策で救援右腕マイケルを2度先発させたこともあった。渡辺監督は「最初は数がいても、足りなくなる。シコースキーはやれと言われた場所で、どこでも投げてくれる」。流動的な起用にもあれこれ言わない優等生タイプで、使い勝手がいい。日本で先発となれば、ロッテ時代の03年以来。華麗なる転身となるか。【柴田猛夫】