二塁手を巡り、激しい火花が散った。阪神の新戦力西岡剛内野手(28)と昨季のレギュラー上本博紀内野手(26)が8日、ともにシート打撃でアピールした。

 まずは今季初めて実戦形式に参加した西岡に、ヒットが生まれた。左腕小嶋の低めのチェンジアップに体勢を崩しながらも、三遊間へ運んだ。

 「真っすぐを待って変化球を打ってヒットコースに飛ぶということは、しっかりタイミングを取れている証拠だと思います。初めての実戦で気持ちよくできた」

 手ごたえをにじませた西岡に対して、負けじと上本もバットで魅せた。榎田の真ん中付近のストレートを中前へ運ぶと、鶴の内角球もさばいて左前へ。

 「まだまだです。試合で打たないと意味がないですから」

 上本はまったく満足していなかったが、シーズン開幕の相手ヤクルトの志田スコアラーの言葉が現状を象徴していた。

 「レギュラーは(西岡に)決まっているんでしょうけど、彼(上本)が出ないのはラッキーです。1打席で終わる選手じゃない」

 遊撃鳥谷とコンビを組む二塁手。レギュラーは西岡で確定しているが、2番手にはスタメンでもおかしくない力を持った上本が控える。ハイレベルな定位置争いが虎を高みへと導く。【鈴木忠平】