4番戦争スタート!

 驚異の64発デモだ!!

 阪神新井良太内野手(29)が今日10日、13年チーム初戦となる練習試合・日本ハム戦(名護)に4番三塁で先発する。9日は特打に参加し、224スイングでなんと柵越え64本。昨季途中から4番を張った勢いを止めるつもりはない。

 あっちに行ったり、こっちに行ったり、「危ないですよ~!」と叫んでみたり…。左翼芝生席に陣取る球場スタッフは大忙しだ。スイングの力をやや緩めても、体が多少泳ごうが、余裕でオーバーフェンス。「風じゃろ、風」と笑い飛ばす良太の姿が頼もしい。

 新井良

 ゲームではあんなに気持ち良く打たせてもらえない。ああいうスイングをできるタイミングの取り方をしていきたい。やることは変えていない。今は精度を上げていきたい。

 白と黄金で彩られたマスコットバットを相棒に、弾丸ライナーで左中間に突き刺す。と思えば、滞空時間の長い推定140メートル弾が飛び出す。224スイングで5連発を含む64発。本塁打率は驚異の2割8分6厘だ。前日8日は福留が211振で48発。この日は鳥谷が209振で56発。良太の飛ばす力は抜きんでている。

 昨季は110試合で打率2割8分、11本塁打。シーズン中盤から4番に定着した男も、再びゼロからのレギュラー争いだ。オフは広島のトレーニングジム「アスリート」で前阪神金本氏が持つ01年以来のジム最高記録を塗り替え、スクワット180キロ×10回を達成。昨季終了時点で96キロだった体重も、101キロまで増やし「ちょっとずつだけど(手ごたえは)ある」。兄貴浩、新助っ人コンラッドとの一、三塁争いへ、準備を整えてきた。

 和田監督

 相当、自信をつけている。力量も去年の今とは雲泥の差。この1年で、ここまでは一番成長してるんじゃないかな。早く試合で見たいと思わせる。

 決してお世辞ではない。今日10日、13年虎初戦となる練習試合・日本ハム戦の4番三塁は良太。期待値がメンバー表に刻まれる。

 新井良

 内容も結果も、全部欲しい。僕は欲張りなんで。打てようと打てまいと、声を出して、らしさを出してやっていきたい。

 今季4番の本命は、右肩痛からの復活を目指す兄貴浩。右肩の状況次第で鳥谷やマートン、コンラッドに福留、そして良太も候補に名を連ねる。この日放った64発は戦いのゴング代わり。さあ、激しい4番バトルが幕を開ける。【佐井陽介】

 ◆虎の4番争い

 本命は昨季開幕戦を含む最多64試合で4番だった新井。和田監督も日本人4番の理想を掲げ、11年打点王の「復活いかん」と右肩痛からの復帰に期待する。新井良は昨年、47試合で4番を務めた。昨年のオープン戦で「4番」を経験した鳥谷は飛距離アップで主砲プランが浮上中。昨年2試合で4番だったマートンや、新外国人のコンラッド、勝負強い福留にも可能性がある。