<オープン戦:中日1-7西武>◇9日◇岐阜

 中日高木守道監督(71)の「怒りメーター」が振り切れた。出身地の岐阜に西武を迎えたオープン戦は打てず守れずの完敗。あまりにふがいない試合内容に、中日高木監督が試合後の会見を“無視”した。ゲームセットからすぐにジャージーに着替えると、約20人の報道陣の真ん中をかき分けて直進。チームバスには乗り込まず、準備していたタクシーに滑り込んで急発進した。「監督!

 監督!」の呼びかけにも一切答えず。まるでモーゼの十戒のように、守道ロードが開けた。

 ベンチでは71歳監督の顔が見る見る赤くなった。開幕ローテーションを狙う伊藤が1回から暴投で先制点を許すと、4回には先頭木村の打球が右膝を直撃し負傷降板。岐阜城北高出身の右腕は「岐阜のみなさんにいいピッチングを見せることができずに残念」とガックリと肩を落とした。3番手小熊、4番手朝倉も連打を浴びて失点を重ね、反撃は4回に和田の左犠飛による1点だけ。チーム8安打も、ファンが喜ぶ得点シーンを作れなかった。

 素直に感情をぶちまけるのが守道スタイルだが、だんまりを決め込んでの会見ボイコットは就任後初めての事態。試合前にはわざわざスタンドに出向き、故郷のファンの声援に手を振った。栗山、片岡、浅村を温存した西武とは対照的に、主力選手をズラリと並べた。凱旋(がいせん)試合で胸を張るはずが、とんだ赤っ恥に怒りの針も振り切れてしまったのか…。これでオープン戦8試合で2勝5敗1分け。いつも全開の守道監督がオーバーヒートのエンジンストップだ。【桝井聡】

 ◆守道監督の会見

 昨季は2度、試合後の会見を拒否。1度目はコーチへのサインが伝わらなかった5月3日阪神戦。インタビュールームで「今日は何もありません!」と一言残し監督室へ直行。駐車場でも「しゃべりたくない!」。2度目は1点リードの9回に岩瀬が同点打を浴びた8月1日巨人戦。「ノーコメント。しゃべりたくない」と言って口を閉ざした。一切言葉を発しないのは今回が初めて。