開幕ローテモード突入だ!

 阪神のドラフト1位藤浪晋太郎投手(18=大阪桐蔭)が10日、雨天中止となった巨人戦の試合前、甲子園で約30分におよぶバント特訓を受けた。野手やコーチのアドバイスを受けながら、シーズン初登板が有力な開幕2戦目、30日ヤクルト戦に向けまた1歩前進した。

 甲子園での試合前練習。曇り空の中、藤浪が投手陣のメニューから離れ、バットを片手にグラウンドに現れた。一塁側ファウルグラウンドに設置されたマシンに向かった。投手ではただ1人の、藤浪限定のバント特訓だった。

 山脇外野守備走塁コーチが見守る中、猛特訓が始まった。大和や日高、柴田や西岡ら野手陣も入れ代わり立ち代わりでバント練習に加わった。藤浪はときに、野手の練習を防球ネットの後ろから見守り、野手からアドバイスも受けた。膝付近の低めへの対応には四苦八苦。山脇コーチは「脚が長いからね。最初から低目に構えないと、間に合わないみたい」と説明した。

 高校時代からバントは苦手ではなかった。沖縄・宜野座キャンプでケース打撃に参加した際も、無死一塁を想定した場面では一塁側に、無死二塁を想定した際には三塁側に、きっちり送りバントを成功させた。和田監督からも「うまい部類じゃない?

 一塁側も三塁側も一発で決めて。高校時代にかなりやってきてる」と及第点をもらっていた。

 この時期での、みっちりとした特訓は開幕ローテーションを想定したものとみられる。和田監督はオープン戦で野手の出場機会を増やすためDH制を採用しているが、「打者との兼ね合いもあるけど、最終週に打席に入れたい。打席に立つ機会をつくりたい」と明言。本番に向けた練習の一環であることを明かした。藤浪は「構えとかですかね」と指導の内容を振り返り、表情を引き締めた。

 シーズン初登板は開幕2戦目の3・30ヤクルト戦が見込まれる。前日10日に本拠地で鮮烈なデビューを遂げた藤浪は、本番に向け着実に歩を進めている。【山本大地】