<オープン戦:DeNA9-4中日>◇13日◇横浜

 DeNAトニ・ブランコ内野手(32)が古巣相手に強烈な1発をかました。同点の3回に左中間場外への勝ち越し2ラン。アレックス・ラミレス外野手(38)と初アベック弾も決めた。チームは計4発の本塁打攻勢などで9点を奪い快勝。リニューアルした本拠地横浜スタジアム初戦で、新4番がマシンガンならぬ、バズーカ打線の着火剤となり、開幕戦相手にインパクト十分の1勝を挙げた。

 相手ベンチに目を向けることなく、ブランコは一塁ベースで右手を突き上げた。同点の3回1死一塁。確信を持って見送った打球は、左中間場外へ消えた。昨季までの同僚、中田賢の初球スライダーを迷いなく振り抜いた一打。「どういう投手か分かっているし、球種もインプットしていた。1打席目に球筋を見て狙っていたよ。一番いい結果が出たね」。ベンチへ戻ると満面の笑みでハイタッチを繰り返した。

 初対決の重圧を最高の形で振り払った。古巣からの移籍が正式決定する前から、中日高木監督の“口撃”を受けた。「ブランコなんて落ちるボールを放っときゃいいわ!」と攻略法を明かされたかと思えば、年齢や故障がプレーに影響すると挑発もされた。反論することなく、結果を出すことに集中してきた。因縁対決モードに「今日は楽しみもあったけど、プレッシャーもあったよ」と明かした。前日12日には全体練習後に約2時間、室内練習場で黙々と打ち込んだ。中畑監督が「高木監督のコメントもあって、『俺やるぞ』っていうのもあったと思う」と言うほどの意気込みだった。

 そんな思いも込められたどでかい1発が、3回のラミレスの今季1号、2年目高城のプロ初アーチを誘発。DeNA初の1イニング3発の“集中砲火”となった。今日14日からは、ブランコ場外弾に備え、左翼場外に警備員を配置することが決定。ブランコは、「ハッハッハ!

 スミマセン…。でもシーズンに入っても、同じようにホームランが出ると思うよ」。球場の広さはお構いなし。開幕戦ナゴヤドームでも、この男のバットが火を吹きそうだ。【佐竹実】