阪神ドラフト1位・藤浪晋太郎投手(18=大阪桐蔭)のデビュー戦が、14日までに3月31日ヤクルト戦に決まった。開幕投手が侍ジャパンの左腕能見から右腕メッセンジャーに代わったことでローテが再編された。開幕3戦目の初先発は高卒新人最速で、中6日で登板する「サンデー晋ちゃん」となる。歴史的瞬間へカウントダウンに入る。

 藤浪のデビュー戦が決まった。今季最初の日曜日、開幕3戦目の3・31ヤクルト戦だ。当初は2戦目が見込まれていたが、ローテが再編。開幕投手最有力だったWBC日本代表の左腕能見が、準決勝に進出したこともあり開幕2カード目に回ることが確定。右のメッセンジャーが1戦目に抜てきされた。左右のバランスもあり、藤浪がカード3戦目に回ることとなった。

 3戦目の先発デビューは、65年のドラフト制後、高卒ルーキーの最速記録となる。これまでは西武松坂らの4戦目。阪神では67年江夏の6戦目が最速だった。球界のエースたちが届かなかった領域に、藤浪が踏み出す。

 3戦目といえば2連敗や1勝1敗の場合に重圧がかかるが、何事にも動じない振る舞いから信頼を勝ち取った。また、日曜日に先発すれば観客動員アップも期待できる。デビュー戦で好投すればそのまま中6日で登板する見込みで「サンデー晋ちゃん」となる。

 日曜日に投げ続ければ、開幕から交流戦までヤクルト、広島、DeNA、ヤクルト、DeNA、ヤクルト、ヤクルトと続き、強敵の巨人、中日とは当たらない計算だ。交流戦2戦目では日本ハムと激突。経験を積んだ上で、大谷とのプロ初対決が実現するシナリオも浮かび上がる。

 シーズンの先発がずれ込んだことに伴い、次回登板も16日ロッテ戦(QVCマリン)から、17日西武戦(西武ドーム)に変更。この日は西宮神社で必勝祈願した後、甲子園でブルペン投球を行った。プロでは初のドーム球場での登板については「別に気にしていないです。ホームベースがあって、一塁、二塁、三塁があるのは変わらない。いつも、雨が降っていても試合があると思って臨んでいるので、気にならないです」といつも通り冷静だ。

 西武には大阪桐蔭の先輩・浅村がいる。かねて「大阪桐蔭の先輩と対戦したい」と話していた藤浪にとって、初対決となる可能性が高い。「すごく楽しみです。僕たちの前に甲子園で優勝された、尊敬する先輩なので。機会があれば、しっかり投げたいです」と声をはずませた。

 初のサンデー登板で先輩を打ち取り、球団高卒投手最速の3戦目デビューに向かう。【山本大地】

 ▼藤浪が開幕3戦目に先発登板すれば、65年ドラフト制導入後の高卒新人投手としては史上最速の先発デビュー。過去の記録は4戦目で、これまで66年東映森安敏明、79年日本ハム工藤幹夫、99年西武松坂大輔、05年西武涌井秀章の4人。阪神ではチーム6戦目が最速で、江夏豊が67年4月19日大洋戦で記録。江夏は2回4失点で敗戦投手となった。