中日高木守道監督(71)が27日、若手先発陣に鬼指令を出した。名古屋市内で地元テレビ&ラジオに約2時間のダブル出演。オープン戦で相次いだ先発陣の崩壊に激怒したことを明かし「3回まで全力投球せよ。できない投手は先発をはく奪する」と、ノルマを電波に乗せた。先発が3回でOK?

 いったいその真意は?

 開幕直前、高木監督が鬼になった。タヌキや暴走老人の仮面を脱ぎ捨て、本性を現した。地元のテレビ&ラジオにハシゴ出演し、開幕DeNA3連戦の先発が吉見、大野、山内の順で行くと予告。その上で、初めて開幕メンバー入りした大野と山内に矛先を向けた。

 高木監督

 去年頑張った若手が少し楽をしとる。だから怒った。初めて投手にカミナリを落としました。

 オープン戦最下位の要因となった先発崩壊に業を煮やし、先日大噴火したことを明かした。特に昨年4勝し、CSでも活躍した大野と、自身初の10勝でブレークした山内の両輪。このまま公式戦に入れば大変と、異例の鬼ノルマを課した。

 高木監督

 最初にポ~ンと取られたら、うちの打線で勝ち目はない。3回まででいい。初回先頭打者の1球目から気持ちのこもった全力投球をせい。3回まで抑えてくれたらあとはつないで勝つ。できない投手は先発の権利をはく奪する。

 先発が3回でOK?

 開幕2、3戦目の投手でもそれほど危ういと見ている。だがそれすらできなければローテを外す。続く先発候補には中田賢や山本昌、ブラッドリー、カブレラ、伊藤、西川、雄太、岩田らが控える。彼らも不安定感はぬぐえないが、もはや信賞必罰方式で打開策を求める。もちろん中田賢らに先発チャンスが来ても、3回持たなければ即入れ替えだ。

 高木監督

 若いのはもっとがむしゃらにせんと。みな吉見になった気でおる。

 気に入らないのは若さを失った年寄投球だ。昨年活躍したことで、守りに入っているのではないか。おかげで本来の思い切りのいい投球を失っている。エース吉見のようにペース配分を考えて投げるのはまだまだ早い。“脱吉見”にこそ活路があると奮起を促した。

 高木監督

 山内は私に何クソ、よし見とれって感じで開幕でやってくれるでしょう。大野もやりますよ。

 3回でOKは先発の恥。鬼ノルマの真の狙いは反骨心で本来の姿を取り戻すことだ。守道流荒療治で一発回答を待つ。【松井清員】