<楽天3-2西武>◇12日◇Kスタ宮城

 楽天嶋基宏捕手(28)の“読み勝ち”だった。同点の7回1死三塁。カウント2ボール1ストライクから、チェンジアップを完璧に捉え、左前へ運んだ。「たまたま真ん中に来たので、うまく打てました」。謙虚に話したが、決勝打の裏には捕手ならではの視点があった。

 西武の捕手炭谷が6回以降、岸のチェンジアップを決め球として多用していたのを見逃さなかった。6回無死二、三塁では、藤田がチェンジアップに空振り三振。ジョーンズはカーブを捉えて同点犠飛としたが、1球前のチェンジアップを空振りしていた。「ジョーンズが空振りしていたのもそう(チェンジアップ)だし、僕も前の打席でカーブでやられていたから(チェンジアップかカーブか)緩い球が来るだろうなと思った」と読み通りになった。

 前日11日は“読まれ負け”した。日本ハム戦の8回、アブレイユに決勝3ランを浴びた。美馬の4球目のスライダーに、アブレイユは「待っていた」と言った。嶋が要求した理由は「スライダーが美馬の一番良いボールだったから」。試合終盤では、捕手は投手の一番良い球で勝負することが多い。美馬のスライダーが甘かったのが第一の敗因だが、前日は読まれ負け、この日は逆に読んで勝った。

 首位西武に逆転勝ちで連敗を2で止めた。8番打者だが、打点14はリーグトップ。「いい集中力で打席に入れていると思います」。嶋の頭脳が光った一打だった。【斎藤庸裕】