楽天斎藤隆投手(43)が日本球界復帰後、初めて1軍昇格することが2日、分かった。この日の日本ハム戦で、同じ中継ぎ右腕の高堀がホフパワーに満塁弾を打たれ2軍落ちが決定。2軍戦で実戦復帰したばかりの大ベテランが、ついに1軍の舞台にやって来る。

 崩壊寸前の投手陣を救うのは、もう、この人しかいない。斎藤が、ついに1軍昇格を果たす。

 この日の日本ハム戦は、1-9と惨敗だった。先発上園が3回持たず4失点で降板。中継ぎ陣も、ピリッとしなかった。特に、星野監督の怒りを買ったのは、5番手高堀。9回1死から、死球、安打、安打で塁を埋めると、ホフパワーにダメ押しの満塁弾を打たれた。試合後、監督は「(高堀は)もういないだろう。明日は」と吐き捨てるようにクラブハウスへ消えた。

 代わって昇格するのが、斎藤だ。昨オフ、8年ぶりに日本球界に復帰。選んだのは、生まれ育った仙台を本拠地とする楽天だった。ただ、古傷の右ふくらはぎ痛を発症。キャンプから2軍で慎重に調整を進めてきた。それでも、星野監督の信頼は厚かった。キャンプ中、たびたび2軍を視察。ブルペンでの力強い投球に「あの年で、あれだけ投げられる。しっかりトレーニングを積んできたからだ」と評価。1軍昇格のタイミングについても「本人に任せている」と話していた。

 斎藤はキャンプで2軍の紅白戦には登板したが、3月の教育リーグから対外試合は控えてきた。その後、徐々に調整ペースを上げ、4月28日のイースタン・リーグ西武戦(Kスタ宮城)で実戦復帰。5月1日の同巨人戦(利府)にも登板し、2戦合計2回1安打1失点だった。懸念されていた右ふくらはぎの状態も問題なく、ゴーサインが出た。

 チーム防御率4・84はリーグワースト。中継ぎ陣を中心とした投手陣のテコ入れが急務となっている。日米通算132セーブの右腕が再浮上を狙うチームの救世主となる。