<巨人2-3阪神>◇8日◇東京ドーム

 巨人が阪神に3タテを食らった。東京ドームの阪神戦に限れば07年9月以来の屈辱だった。原辰徳監督(54)は「やはり、なかなか点が入らないし、今日は無駄な四球がね。そこから、向こうもチャンスはそうそうないけど、うまく点を取られましたね。勝負して四球を出したとは、なかなか見えなかった。結果として『あれっ』という四球」と、まずは四球に焦点をあてた。「無駄な四球」とは沢村とマシソンの四球にほかならない。悔やまれる2つの四球だったが、打線の不振も心配の域に入っている。

 あと1本が出ずに15残塁。対榎田は3試合22回1/3で、いまだ1得点。ただし、榎田だけじゃない。阪神とは3カード消化し、すべて「能見-スタンリッジ-榎田」のローテーションで、2勝6敗1分けと負け越している。特に榎田は、新たな天敵になりそうな気配も漂っている。村田打撃コーチは「ややボールが高めに集まっている。そこを狙いたいが、ボールに力があるので力負けしないスイングが必要」と、攻略をもくろんだが、走者を出しても得点につながらなかった。

 阪神には昨年15勝5敗4分けと、大きく勝ち越している。橋上戦略コーチは「やられたら、やり返すのが、この世界。相当研究しているでしょう。守備位置ひとつとってもそれが分かる」と話す。鳥谷が顕著だが、思い切った守備位置に、安打性の当たりを何度も捕られている。各打者の打球方向を研究し、シフトに生かされているのも事実だ。

 次回の阪神戦は7月2日、甲子園。橋上戦略コーチは「次は交流戦明けですからね」とポツリ。「やられたら、やり返す」と、言葉にこそ出さないが、当然、お返しはさせてもらうという顔つきだった。【金子航】