ツヨシの快足で“神撃”加速や!!

 阪神西岡剛内野手(28)が交流戦の開幕ダッシュを誓った。今日14日のオリックス戦(甲子園)での必勝へ、大きな武器になるのが攻撃的な走塁。華麗なスライディング技術でもセ界を圧倒したヒットマンが、交流戦Vの使者となる!

 昨年の交流戦では5連敗スタートした和田阪神だが、今年は頼もしい男がいる。

 かつて何度も激しく火花を散らしたパ・リーグのライバルとの対戦を前にしても、西岡は冷静だった。今日14日オリックス戦から交流戦がスタート。燃える男は静かに口を開いた。

 西岡

 だいぶメンツ(メンバー)も変わっている。若い子も出てきてね。セ・リーグよりはデータはあると思うけど、僕自身、打席に立っていない。いつも通りにやるだけ。初戦がすごく大事になってくる。もっと勢いもつくと思う。

 虎の主力野手で唯一、交流戦優勝の経験者だけに、言葉に重みがある。ロッテ時代の05、06年に交流戦を連覇。勝ち抜くための鉄則は「初戦必勝」だ。昨年阪神は交流戦初戦を落としてから一気に5連敗。また4年連続で交流戦を負け越しているだけに、不動の1番の存在は心強い限りだ。

 西岡

 初戦を取っていくことで、ホーム、アウェーでも5割で行ける。そういう意味で初戦を取っていかないと。出塁するのが自分の仕事になる。変わらず、やっていくだけです。

 ハイレベルな走塁もパ守備網の脅威になるだろう。その一端が10日ヤクルト戦(松山)で披露した「高速スライディング」だ。5回一、三塁の場面で、一塁走者の西岡は大和の打球が左翼線に落ちるのを見届けると本塁に突入。走る姿勢は本塁直前でも高かった。タックルか-。その瞬間だった。捕球するヤクルト捕手の中村の真横をすり抜け、左手で軽く本塁を触った。アウトのタイミングに映ったのに、なぜ、さらりと生還できたのか。その「理由」こそ西岡の武器なのだ。

 ヤクルト中村

 僕もタイミングはアウトだと思いました。スピードを全然、緩めなかった。一瞬で入られてしまった感じです。空タッチになってしまいましたからね。

 通常、走者はスライディングの瞬間に身をかがめて減速するが、西岡は違う。スピードを極力殺さずに高い姿勢で滑り込んでいた。

 西岡

 あのときは(中村が)ベースを空けてくれていた。(ベースの)近くでスライディングするのは危険ですけど、少しでも速くタッチできますから。

 敵も舌を巻く走塁技術は、当然盗塁にも直結する。ここまで西岡は4盗塁にとどまるが、チャンスがあればいつでも襲いかかる準備は万端だ。オリックスのバッテリー陣はパで最も盗塁を許している。主力捕手の伊藤は盗塁阻止率1割7分2厘で、こちらもリーグワースト。相手の弱点を徹底的に攻めるのが勝負の王道。「西岡の足」が6連勝中の猛虎軍団にさらなる勢いをもたらし、交流戦Vへの道を切り開く。【酒井俊作】