巨人が、桐光学園・松井裕樹投手(3年)を今ドラフトの1位候補の最上位としてリストアップした。

 阪神も今秋ドラフト1位の最有力候補に桐光学園・松井をリストアップしていることが16日、分かった。球団フロントは、今オフに投手補強に着手する方針を固めた。高卒ルーキー藤浪は加入したが、依然として、先発、リリーフともに平均年齢は高い。球団首脳は「投手力の向上は急務だ。特に左腕は必要」と力をこめる。若い世代を見ても右腕の枚数は多いが、次世代を担うサウスポーの駒不足は明らかだ。

 春季関東大会は、中村勝広GM(63)が松井を生チェックすることも検討。夏の大会まで、複数のスカウトによる密着マークも確実な状況になっている。松井以外にも、大阪桐蔭の森友哉捕手(3年)やJR東日本の大型右腕・吉田一将(23=日大)、九州共立大の大瀬良大地投手(4年=長崎日大)らが1位候補に挙がっており、今後、現場の意見も参考にしながらドラフトまでに最終決定する。

 昨秋に獲得した藤浪は4球団競合の末の指名だった。松井はそれを上回る可能性がある。外した場合のリスクが懸念されるが、2年連続の怪物指名に成功すれば、大きく夢は膨らむ。「右の藤浪」「左の松井」-。甲子園の器にふさわしい左右の両輪が、阪神の新時代を切り開くことになる。