<巨人2-1西武>◇18日◇東京ドーム

 巨人阿部慎之助捕手(34)の不敗神話は継続された。天敵の西武岸を神話の1ページに加えた。1点を追う6回。外角高めに甘く入ったチェンジアップを左翼スタンドに流し打った。3戦連発の12号ソロ。4月7日の中日戦以来の猛打賞となる一撃でもあった。延長10回にサヨナラ勝ちし、東京ドームで本塁打を放った試合を37連勝としても淡々としていた。

 岸にはスローカーブを中心に散々、手を焼いてきた。08年の日本シリーズでは14回2/3を無得点に抑えられ、MVPを与えた。その後も交流戦で09年に7回2点、10年に15回2/3を6点、12年に8回2点と攻略に苦しんだ。奪三振率も09年に9・00、10年に10・91、12年に11・25を許し、三振の山を築いてしまった。だが、阿部は「カーブがいい投手なので打席位置を少し、投手寄りに変えて考えながらの打撃だった」と知恵を駆使。主砲の1発で勝利を呼び込んだ。

 ▼阿部が6回に3試合連続の12号。岸からは初アーチで、阿部が本塁打を打った投手は184人目。本塁打を多くの投手から打った記録にはローズ(オリックス)の228人があるが、巨人では王の183人を抜いて最多となった。