日本ハム中田翔内野手(24)が、最下位からの大逆襲を宣言した。17日、交流戦の最終戦となる今日18日広島戦(マツダスタジアム)へ備えて空路で故郷広島へ移動。首位ロッテとは8・5ゲーム差だが、若き主砲は「そんなの、すぐやん」と一蹴した。チームは3連勝中と好調。4番のバットで交流戦を白星で締め、21日から再開するリーグ戦へ弾みを付ける。

 羽田空港で故郷・広島行きの便を待つ中田は、落ち着いた口調で聞いた。「今、首位と何ゲーム差なん?」。1位ロッテとは8・5ゲーム差。大きな差にも思えるが若き4番の思考は違った。「そんなの、すぐやん。ちょっとした連勝で詰まる」。即答だった。

 交流戦では軒並みパ・リーグのチームが好調。この期間で最下位からの脱出はできなかった。苦しい状況に変わりはないが、ペナントレースは残り85試合もある。「野球は、ここからや」。右手に持っていたアイスコーヒーをテーブルに置き、不敵に笑みを浮かべた。

 確かな手応えを持って、今季2度目の里帰りとなった。「勝ち方が、すごく良かった」。本拠地・札幌ドームで3連勝した。13日阪神戦から前日16日広島戦まで、いずれも序盤からロースコアの展開。終盤に決勝点を奪って勝利をつかんだ。先発投手がしっかり試合を作り、打撃陣がきっちり得点を奪う。救援陣も致命的な失点はしなかった。「そういう試合ができてるからね」。チームが北海道移転後から築き上げてきた“強さ”がようやく戻ってきたことを実感していた。

 21日のリーグ戦再開を前に、今日18日は広島戦に臨む。故郷での試合は2年前に2打席連発、今年も先制本塁打を放つなど通算3割4分8厘と結果を出している。投打の二刀流ルーキー大谷が先発することもあり、大注目の一戦に「勝って最後、締めたいよね」と、おとこ気をたぎらせた。この日は、広島市内にある実家にも一時帰省して英気を養った。頼もしい主砲が故郷から、大逆襲劇ののろしをあげる。【木下大輔】